経営幹部研修

人的資本開示に伴い人への投資に注目が集まる中、企業は次世代の組織経営を担う人材育成に力を入れています。2023年に実施された日本能率協会の調査では、「経営者となるためのトレーニングを受けたことがある」と回答した経営幹部が前年より1割以上増加し、約5割となりました。

ビジネス環境の変化が激化する中、経営幹部には法律や財務関連といったコーポレート・ガバナンス強化に必要な知識に加え、次世代に対応するスキルも求められています。

経営幹部に必要な能力は「法律・財務の知識」「本質を見抜く力」

日本能率協会の調査によると、経営幹部が「役職就任前に身につけておけば良かった知識・スキル」は、第1位が「会社法・税法などに関する法律知識」（67.3％）、第2位が「財務・会計に関する知識」（65.1％）でした。

また、これからの経営者に求められる資質としては、「本質を見抜く力」「イノベーションの気概」「ビジョンを掲げる力」が上位に挙げられました。

組織の経営を担う幹部は、法律や財務といった企業を適正に運営する知識に加え、環境変化の激しい時代に対応する能力や、組織をリードするスキルが重要と考えていることがわかります。

経営幹部の多くが知識・スキル不足を実感

法律や財務の知識を「就任前に身につけておけばよかった」と考える経営幹部は多いようですが、同調査で就任後にこれらの知識を「身につけている」と回答したのは約1割～2.5割にとどまっています。

また、経営者に求められる「本質を見抜く力」「イノベーションの気概」「ビジョンを掲げる力」についても、「自身の強みである」と回答した経営幹部は約0.5割～1.5割でした。

この結果からは、法律や財務関連の知識について役職就任前の準備が不十分だっただけではなく、就任後も身につけることが難しいという現状がうかがえます。また経営者に求められる資質も、自身に備わっていると感じていない経営幹部が大半となっています。

経営人材育成には「早期育成」「次世代スキルの強化」が必要

経営者への教育・トレーニングの機会は増えている一方、現場で本当に必要とされている知識・スキルについては「不足している」と感じる経営幹部が多いようです。こうした課題を解決するためには、経営人材の早期育成に取り組むこと、次世代に必要なスキルを意識的に強化することが重要と考えられます。

経営人材に必要な能力は多岐にわたるため、早期にトレーニングを開始し、中長期的に人材育成に取り組む必要があります。また、すでに経営幹部として活躍する人材には、本当に必要かつ質の高い教育を吟味し、計画的に実施する必要があるでしょう。

参考：一般社団法人日本能率協会「トップマネジメント意識調査2023」

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