効果的な研修方法とは?具体的な手法や効果を上げるポイントを解説
企業において研修は、業務をする上で必要な知識やスキルを伸ばす役割があります。近年では研修のバリエーション自体が増え、より効果的な研修方法を模索している担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では効果的に研修をするためのポイントや、目的別の研修方法について解説していきます。研修方法についてお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
人材育成の基本から、計画の立て方、効果的な教育手法、そして学習管理システム(LMS)の最新活用法までをコンパクトに解説。人材育成に関する悩みや課題を解決するための完全ガイドです。
効果的な研修の実施方法
効果的な研修の実施方法として、以下のようなものがあります。ターゲットや研修内容に応じて研修手法を変えることで、より効果が見込めるようになるでしょう。
- OJT(On The Job Training)
- Off-JT(Off-the-Job Training)
- ロールプレイング
- グループディスカッション
- eラーニング
ひとつずつ解説していきます。
OJT(On The Job Training)
OJTとは、実務経験を通して知識やスキルを学ぶ研修方法です。現場で先輩社員が直接研修を行うため、受講者はその場でフィードバックを得られ、先輩社員とのコミュニケーションを取りやすいのがメリットです。
実践的な学習効果がある一方で、指導者によって学習内容に差が出る、断片的な学習になってしまい全体像をつかみにくいなどのデメリットもあります。
Off-JT(Off-the-Job Training)
Off-JTは実務を離れて行われる研修方法です。集合研修や、eラーニングなどもこれに含まれます。
集合研修は、同期や同僚とともに行うことが多いため、モチベーションの向上や人脈づくりが期待できます。
eラーニングは時間や場所、人数の制限がない場合が多く、実務に入る前の知識のインプットや復習に向いています。一方で、開催のコストが増える、現場で使えるスキルを学びにくいなどの点がデメリットになります。
ロールプレイ
ロールプレイは実践に近い環境で、参加者が特定の役割を演じ、どのように行動するかのイメージトレーニングを取り入れた研修方法です。
先輩社員や上司がトレーニー(指導者)となり、すぐにフィードバックをもらえるため、自分の強みや弱みをその場で理解できます。また、営業活動・プレゼンテーション・クレーム対応・トラブル対応などを学ぶのに適した手法です。
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グループディスカッション
グループディスカッションは、参加者同士で特定のテーマについて議論する研修方法です。
社員同士で意見を出し合いながらディスカッションする中で、新しい視点やアイデアが得られ、主体性や協調性、コミュニケーション能力が育ちます。
ただし、活発な議論ができるかどうかは参加者の積極性に左右される一面もあります。グループディスカッションを実施する際は、あらかじめ進行役を決めておくなどの工夫が必要でしょう。
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eラーニング
eラーニングはパソコンやタブレット端末、スマートフォンなどを用いた、オンラインの研修方法です。コロナ禍を経て、多くの企業で一般的になりつつあります。
eラーニングの多くは録画されたものを視聴する方法が取られており、場所や時間を問わず何度も繰り返し学習できるのがメリットです。手軽さがある反面、学習効率は個人の自主性に左右される一面があります。
効果的な研修のための5つのポイント
研修を効果的に行うためのポイント5つについて解説します。これらをおさえたうえで、より成果が見込める研修を実施しましょう。
- 課題を洗い出し・目的設定する
- 対象者別に分けて研修を実施する
- 研修内容に応じて方法を使い分ける
- 振り返りにeラーニングを活用する
- 研修後に効果測定を行う
課題を洗い出し・目的設定する
効果的な研修内容にするためには、企業や受講者が抱えているそれぞれの課題を洗い出し、研修の目的を明確に設定する必要があります。
どのような課題を、どのレベルで解決したいのかを踏まえ、具体的に習得したいスキルや理想の状態を定めた上で、詳細に研修内容を作成します。必要に応じて部署の担当者や受講者本人にヒアリングを行い、適切に課題を洗い出しておきましょう。
対象者別に分けて研修を実施する
研修で学習効果を高めるためには、対象者別に分けて実施するとよいでしょう。研修内容は以下のように階層別・職種別・テーマ別のグループに分けられます。
対象者の分類 | 研修内容 |
階層別 | 組織内の階層(管理職・一般社員・新入社員など)で区分した研修 |
職種別 | 接遇・コールセンター・営業・製造・人事・総務・広報など職種ごとに必要なスキルを学ぶ研修 |
テーマ別 | 内部統制スキル・ビジネススキル・マーケティングなど、全社や部署を横断して学ぶ必要のある研修 |
対象者を絞り込むことで、効率よく研修を実施することができます。
振り返りにeラーニングを活用する
実施した研修の学習効果を高めるには、研修後に振り返りを設定しましょう。研修を受けただけでは定着につながりにくいためです。
その際、eラーニングは学習内容の振り返りや習熟度のチェックとして活用できます。場所や時間を問わず繰り返し視聴できるため、他の研修と組み合わせて活用することで学習内容の定着を図れるでしょう。
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研修後に効果測定を行う
研修後には効果測定を行い、研修のブラッシュアップにつなげましょう。
効果測定の手法としては、知識の定着を図るテストや受講者のアウトプットが挙げられます。効果測定の結果から、研修内容が適切だったかどうかを確認できます。研修内容の定着率が低い場合は、研修を見直す必要があります。
より効果的な研修にブラッシュアップするうえでも、定期的な効果測定は必要だといえるでしょう。
面白い研修方法の事例
ここでは、効果的な研修方法の実例として、企業で行われている、ユニークな研修方法の事例をご紹介します。
幼稚園研修
幼稚園研修は、サービス業において特に効果的な研修のひとつです。中古車販売をおこなう青森ダイハツモータースでは、コロナ禍になる2019年までは幼稚園研修が毎年実施されていました。
幼稚園研修では、幼稚園に数日間通い、保父・保母として園児や保護者とかかわる形の研修を行います。この研修を通じて、相手の目線に合わせたコミュニケーションの取り方や初対面での関係構築方法、トラブルの際に報連相(報告・連絡・相談)するスキルが身につきます。
暗闇研修
暗闇研修は、真っ暗な空間で視覚以外の感覚を使い、さまざまな体験をする研修方法です。トレーニングを積み重ねた視覚障害者がアテンドし、暗闇空間の中で互いにコミュニケーションをとりながらワークを行います。
視覚情報がない中では言葉を通じたコミュニケーション力が問われ、わかりやすく適切に伝え合うスキルを伸ばすことができます。
富士フィルムシステムサービスなど、1,000社以上の企業がコミュニケーション向上・チームビルディング・ダイバーシティ推進などの目的で導入しています。
農業研修
農業研修は、農業体験を通じてビジネスにおける学びを得る研修です。急な天候の変化に対応したり、同僚とともに汗を流したりすることで、臨機応変な対応や効率的なオペレーション、チームで成し遂げる目的を達成するスキルが身につきます。
ワタミグループで農業などを手がけるワタミファーム(千葉県山武市)は農業研修を導入しています。
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まとめ
効果的な研修にするためには、習得したいスキルや知識・対象者に合わせて方法を変えることが大切です。研修実施の際には、明確な課題設定や適切な方法を選び、研修後は振り返りやフォローアップをすることで効果を高められます。
研修方法はさまざまなものがありますが、事例で紹介したような面白い研修を導入することで幅広い学習効果を期待できるでしょう。
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