新入社員研修をきついと感じる理由 早期離職を防ぐ、不安や負担への対策方法
企業に入社した新入社員が最初に取り組むのが、「新入社員研修」への参加です。新入社員が必要な知識を身につけて、企業で活躍するために新入社員研修は欠かせません。しかし、中には新入社員研修を「きつい」「ついていけない」と感じたり、会社に対してひどい印象を持つ人もおり、早期退職の要因となる場合もあります。
新入社員研修の効果を高めるためには、新入社員が負担感を持ちにくいように対策し、やりがいを感じてもらえるように工夫することが大切です。そこで本記事では、新人社員研修を「きつい」「ついていけない」と感じる理由や、不安や負担感への対策・対処方法について解説します。新入社員研修でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
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研修受講者と企業の人事担当者にそれぞれ実施した新入社員研修アンケート調査の結果を1冊にまとめました。ぜひ研修実施・改善にご活用ください。
目次
新入社員研修が「きつい」と感じる5つの理由
新入社員研修が「きつい」と感じる理由として、以下の5つのものが挙げられます。
- 研修で覚えるべきことが多すぎる
- 人間関係を上手く構築できていない
- 環境の変化についていけない
- 担当者の指導が厳しい、ひどいと感じる
- 研修内容の意義が分からない
研修で覚えるべきことが多すぎる
新入社員研修では、新入社員は短期間で多くのことを習得する必要があります。ビジネスマナーや社会人としての心構え、企業・業界の仕組みなど新入社員にとって初めてのことが多いため、学習へのプレッシャーを感じてしまいがちです。
人事部門は研修を通して新入社員を配属先で活躍できるビジネスパーソンへ育てる目的を持っていると思います。しかし、カリキュラムを詰め込みすぎると、新入社員に「きつい」「ついていけない」と思われてしまうかもしれません。
そのため、研修カリキュラムを作成する際は、必要な内容を絞り込んで負荷を軽減することが大切です。
人間関係を上手く構築できていない
研修における人間関係が上手く構築できないと、新入社員は研修に対する不安を感じてしまいます。例えば、研修担当者と上手くコミュニケーションが取れない場合や、研修担当者が高圧的・質問しづらい雰囲気だと、新入社員のモチベーションが低下します。
また、入社したばかりのこの時期は、同期の仲間ともまだ深い人間関係を築けていないことも少なくありません。その場合、分からなかった部分を受講者同士で聞きあったり励まし合ったりすることも難しいでしょう。
そのため、新入社員が研修担当者に気軽に質問・相談しやすい雰囲気を作ったり、受講者同士が交流しながら学べるカリキュラムを取り入れたりすることが大切です。
環境の変化についていけない
学生から社会人になり、生活スタイル・環境が大きく変わることも「研修がきつい、ついていけない」と感じる要因です。入社直後は新たな人間関係が始まり、研修で学ぶべきことも多いため、毎日が目まぐるしく動き続けます。
こうした変化がストレスになると、新入社員研修が「きつい」「ついていけない」と感じやすくなります。そのため、新入社員研修そのものだけではなく、メンタル面のフォローなども必要になるでしょう。
担当者の指導が厳しい、ひどいと感じる
研修担当者の指導が厳しすぎると、新入社員は「研修がきつい、担当者の対応がひどい」などと感じてしまいます。
学生と社会人の違いを認識してストレス耐性をつけるために、あえて厳しく指導するケースは少なくありません。しかし指導が行き過ぎると、新入社員は「ひどい会社に入ってしまった」と感じたり、「人格を否定された」と自信を失うなど、研修を受けることへの負担が強くなります。そのため、指導者の態度や言葉の使い方には注意が必要です。
研修内容の意義が分からない
新入社員研修の意義が分からず、やりがいが感じられないことで「きつい」という気持ちになる場合もあります。
今の若い世代は、物事に意味や理由を求める傾向があります。そのため「研修で何が得られるか」「実務にどう役立つか」について、分かりやすく説明することが大切です。研修の意義や本質を伝えられたら、多少きつくても前向きに取り組んでくれるでしょう。
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「きつい」新入社員研修を改善すべき理由
新入社員が「きつい」と感じる新入社員研修を実施し続けることは少なくないリスクがあります。改善することで、企業は以下の3つのようなメリットが得られます。
- 研修の理解度が向上する
- 新入社員の定着率が向上する
- 企業イメージが良くなる
研修の理解度が向上する
新入社員研修が「きつい」と感じると、新入社員のモチベーションは低下します。自発的に学ぼうという意欲がなければ、担当者がどれだけ熱心に教育しても、高い学習効果は期待できません。「きつい」と思われる点を改善すれば、同じ研修期間でも大きな効果が得られるようになり、業務のパフォーマンスも向上するでしょう。
新入社員の定着率が向上する
新入社員研修を「きつい」と感じた新入社員は、研修のみならず労働自体への意欲を失うことがあります。また研修の印象が悪ければ、「ひどい会社に入ってしまった」と考えて、早期離職してしまうかもしれません。新規採用や新入社員研修には、多額のコストがかかります。新入社員研修を改善することで新たな人材獲得コストも抑えられるでしょう。
企業イメージが良くなる
近年では、新入社員研修の内容が問題視される事例が増えています。負荷が大きすぎる研修や厳しすぎる指導を行うと、SNSや転職サイトなどで「ひどい会社だ」と悪いクチコミが拡散されてしまう恐れがあります。
一方で、新入社員にとって有意義でやりがいのある研修が実現できれば、むしろ良いクチコミが増えて企業イメージも良くなるでしょう。
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新入社員が研修を「きつい・ついていけない」と感じている時の対処法
新入社員が新入社員研修を「きつい・ついていけない」と感じている時は、以下の3つの方法で対処しましょう。
- 研修のスケジュールを見直す
- 研修の内容を見直す
- メンター制度を導入する
- 配属先の上司との面談を行う
研修のスケジュールを見直す
まず行うべき対処法が研修スケジュールの見直しです。「学習量の多さ」や「休憩時間の短さ」を1人の新入社員が直接訴えたなら、ほかの人も同様に「きつい」「ついていけない」と感じている可能性があります。予備日の活用・スケジュールの延長などで、新入社員の負担を軽減しましょう。詳細は後述しますが、あらかじめ余裕のあるスケジュールを組むことが大切です。
研修の内容を見直す
研修内容の見直しの検討も必要かもしれません。「きつい」と感じられている研修は、長時間の座学で知識を詰め込んだり、合格点が厳しすぎるテストを実施する内容になってはいないでしょうか?そういった場合は、ゲーム形式や自由なディスカッションを取り入れた研修を実施するなど、受講者が気分転換しながら学べるよう工夫することも必要になるでしょう。
メンター制度を導入する
「メンター制度」は、先輩社員を「メンター」として新入社員に割り当て、新入社員を1対1でサポートする手法です。
人間関係の問題や学習のつまずきを早期発見し、適切に対応しやすいことがメンター制度の魅力です。こうしたフォローの制度を設けておくことで、新入社員にひどい企業イメージを与えずに済む可能性があります。
ただし、メンター側に業務負荷がかかるため、適切な運用計画を立てる必要があります。
配属先の上司との面談を行う
すでに配属先が決まっている場合は、その部門・部署の上司と面談するのも効果的です。どんな人材が求められているか上司が明確化することで、新入社員が自身の役割を認識でき、学習意欲が高まるかもしれません。また研修中の努力を評価すれば、モチベーションの向上にもつながるでしょう。
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新入社員研修を「きつい」と感じさせないための対策方法
研修を「きつい」と感じたとしても、それを訴えてくれる新入社員はほんの一部です。そのため、そもそも「きつい」と感じさせない研修を実施することが重要です。
新入社員研修を「きつい」と感じさせないようにするために、以下の5つの対策方法を検討しましょう。
- 研修の目的や意義をしっかり説明する
- グループワークを取り入れる
- 余裕のあるカリキュラムを組む
- 小さな成功体験を積ませていく
- 「eラーニング」を導入する
研修の目的や意義をしっかり説明する
新入社員研修の意義・目的を明確化することが大切です。「何のための研修か」「何の役に立つか」を論理的に説明すれば、新入社員の興味・意欲を喚起できます。分かりやすく説明してくれる企業・担当者に対し、新入社員が信頼を強める効果も期待できるでしょう。
グループワークを取り入れる
グループワークを取り入れることも大切です。個人ではなくチームで何かに取り組む時間を設けることで、新入社員同士の人間関係を構築しやすくなります。もし、新入社員研修を「きつい」「ついていけない」と感じることがあっても、相談できる仲間がいれば不安も和らぎ、ひどいストレスを抱えた状態で悩むことなく乗り越えられるでしょう。
ただし、グループワークをつらいと感じる受講者もいますので、他のカリキュラムと同様、しっかりとフォローをおこなうことが大切です。
余裕のあるカリキュラムを組む
新入社員研修のカリキュラムは、余裕のあるスケジュールで組みましょう。内容を詰め込まずに必要な項目を厳選し、研修中は少なくとも60分~90分ごとに休憩を挟むことが大切です。また、新入社員の習熟度が満たない場合に備えて予備日を設けておくと、臨機応変にスケジュール変更ができるようになります。
小さな成功体験を積めるカリキュラムにする
新入社員に小さな成功体験を積んでもらうことは、モチベーションを高めるために大切です。指導時は「できない部分」を指摘することも大切ですが、「できている部分」を褒めることも欠かせません。できている部分を評価する時間をつくるなど、ポジティブな会話を増やすことで新入社員のやる気が高まり、研修も乗り越えやすくなるでしょう。
「eラーニング」を導入する
「eラーニング」を導入するのもおすすめです。eラーニングはインターネットを活用し、パソコンやスマートフォンなどから遠隔で研修が受けられるシステムです。自身のペースで学習しつつ何度でも復習できるため、「ついていけない」と感じにくく、習熟度が高まりやすくなります。
ライトワークスが新入社員を対象に実施した実施形式別・新入社員研修の満足度調査(下図)では、eラーニング形式で実施された研修に対して「満足」「やや満足」と回答した方が合わせて約7割でした。これは、「対面での講義型研修」や「オンラインでの講義型研修」など、他の研修形式と比較しても最も高い満足度となっています。
新入社員が研修に対して「きつい」と感じることを防ぐ目的でも、eラーニングの導入は有用と考えられます。
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研修受講者と企業の人事担当者にそれぞれ実施した新入社員研修アンケート調査の結果を1冊にまとめました。ぜひ研修実施・改善にご活用ください。
まとめ
新入社員研修が「きつい」「ついていけない」「ひどい」と感じられる主な原因は、学習内容の多さや過密なスケジュールからくる負担感、研修の意義への疑問などです。新入社員の習熟度を高めて早期離職を減らすために、カリキュラムの改善や研修目的の説明が欠かせません。
また、グループワークにおける同期との交流や、小さな成功体験が得られる機会を設けることで新入社員の不安も和らぎ、モチベーションが高まります。加えてeラーニングなどの活用によって、新入社員が自身のペースで学べる体制を整えることも大切です。
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