仕事をするうえでコミュニケーションスキルは欠かせないものです。どの業界や職種においても、コミュニケーションスキルの向上によって業務の円滑化や、生産性向上を目指せるでしょう。しかし、実際にはコミュニケーションスキルの育成は難しく、頭を悩ませている研修担当者もいらっしゃるかもしれません。

本記事では、コミュニケーション研修を実施すべき理由やメリットを踏まえ、どのような研修を実施すべきかについて解説します。効果的なコミュニケーション研修を実施したい方はぜひ参考にしてみてください。

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コミュニケーション研修とは

コミュニケーション研修とは、正しいコミュニケーションルールの基礎を学ぶ研修です。コミュニケーション能力を伸ばすことで、相手に与える印象や、仕事に対するモチベーションもアップします。

コミュニケーションの不足によるトラブルは業務に大きな影響を与えます。円滑なコミュニケーションによる部署やチームの作業効率アップが、企業の発展のためには必要不可欠です。

コミュニケーション研修をする目的

コミュニケーション研修を実施する目的は、主に3つあります。

  • 業務の円滑化
  • 信頼関係の構築
  • 離職率の低下

ひとつずつ解説していきます。

業務の円滑化

コミュニケーションは仕事で求められるスキルのうち、最も基本となるものです。コミュニケーションスキルを高め的確に「報連相(報告・連絡・相談)」を行うことができれば、円滑に仕事を進められたり業務上でのミスを減らせたりします。

また、コミュニケーションスキルの向上によってさまざまな人・部署と連携して仕事ができるようになれば、企業としての生産性も上がるでしょう。

信頼関係の構築

仕事においては、他者との協働が欠かせません。同僚や先輩とともにプロジェクトに関わったり、クライアントの要望やトラブルに応えたりなど、適切に対応していくコミュニケーションスキルが備われば、相手からの信頼につながります。研修を通して相手の視点や状況を理解できるよう促しましょう。

離職率の低下

人間関係を理由に離職する人の数は少なくありません。社内でのコミュニケーションが不足していると、意見の違いが生じた際に上手く改善できず、居心地が悪い職場だと感じて辞めてしまうかもしれません。しかし、研修を通してコミュニケーションスキルを伸ばすことで、悩み事や相談事を気軽に話せる環境を作ることができ、結果的に離職防止につながるでしょう。

コミュニケーション研修をする5つのメリット

コミュニケーション研修を行うことで得られる5つのメリットをまとめました。

  1. 社員同士の関係性が良くなる
  2. 情報共有が活性化する
  3. トラブルを迅速に解決できるようになる
  4. 業務の中でフィードバックできるようになる
  5. 主体的な発言がしやすくなる

1.社員同士の関係性が良くなる

コミュニケーション研修をすることで、社員同士の関係性が向上し、社員間の連携が強化されます。社員間の連携が強化されると業務効率や仕事への満足度もアップするでしょう。反対に、社員間のコミュニケーションがうまく取れていないと、業務効率の低下や離職を招いてしまうかもしれません。

2.情報共有が活性化する

コミュニケーションが活性化されると、それにともなって情報共有も活性化されます。情報共有不足は重大なミスを見逃したり、不正が起こりやすくなったりする要因になります。そのため、情報共有不足を解消することで風通しがよく不正が起きにくい職場になるでしょう。

3.トラブルを迅速に解決できるようになる

コミュニケーションが十分取れている職場なら、社員が問題を一人で抱え込んだり、隠そうとしたりしなくなります。まわりに協力を求めることで、迅速にトラブルを解決できるようになるでしょう。早期に問題解決できれば、会社としても致命的なダメージを負うことなく、重大なミスの発生に対するリスクヘッジにもなります。

4.業務の中でフィードバックできるようになる

業務の中で気兼ねなくフィードバックが行える環境づくりは、社員一人ひとりの仕事に対するモチベーションアップにつながります。コミュニケーションが希薄な環境であれば、フィードバックをする側もされる側も緊張感のある状態になります。フィードバックは人材育成に不可欠なため、積極的に行える環境づくりが重要です。

5.主体的な発言がしやすくなる

コミュニケーションスキルが上がることで研修参加者の相互理解が進みます。そのため、「言いたいことはあるが、他の参加者を気にして言えない」ということが起こりにくくなり、意見やアイデアを出しやすい雰囲気が醸成されます。結果的に、研修後も自らの意見を遠慮なく発言できるようになるでしょう。

【階層別】おすすめコミュニケーション研修

おすすめのコミュニケーション研修の内容について、階層別に解説します。社内での立場によって期待される役割が異なるため、年齢や役職等の階層に合わせたコミュニケーション研修を実施することが大切です。

若手社員向け

若手社員に対しては、ビジネス基礎・仕事の進め方等の基本を学べる研修を実施しましょう。この研修では、相手をよく観察し、理解して受け入れるためのポイントを学びます。

会社では周囲との協調性・配慮が大切になります。意見が合わないと思う相手だとしても、良好な関係を築く努力や工夫が必要です。また、相手にわかりやすく物事を伝えたり、論理的な思考に基づいて考えたりするスキルの育成も研修に盛り込みましょう。

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中堅層向け

リーダーシップや管理職のサポートを行うためのコミュニケーション研修がおすすめです。例えば、本音を察する・引き出す話の聴き方、相手の目線に立った伝え方を学びます。

中堅層には、新入社員や後輩を育てるための「指導力」、異なる意見を建設的にまとめる「折衝力」が必要です。リーダーのサポートとしての役割を意識し、まず相手の話の真意を理解する能力が求められます。また、難易度の高い業務の遂行や小さい単位でのチームを率いるリーダーシップも求められるため、それらにフォーカスした内容の研修を実施しましょう。

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管理職向け

管理職におすすめのコミュニケーション研修は、内部統制・マネジメント研修です。管理職には社員が最大のパフォーマンスを発揮できるような環境づくりが求められます。そのためには、チーム全体をポジティブな方向へと導くスキルが必要とされます。併せて、多くのメンバーのメンタルをケアするカウンセリングスキルについても、研修を行うとよいでしょう。

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【成功事例】株式会社トヨタエンタプライズのコミュニケーション研修

トヨタエンタプライズでは、毎年、トヨタ自動車やトヨタグループに入社する新入社員に向けて、トヨタ流の仕事方法を学ぶコミュニケーション研修を実施しています。

受講者は研修を通して、社会人として必要なビジネスマインドや言葉遣いのようなビジネスマナー、電話・来客対応などのビジネスの基本的なスキルを身につけられます。

研修を受けた社員からは「お客様のニーズに気付けるように日々頑張ろうと思えた」「お客様目線の内容が知れて、今後の接客の参考になった」などの声が挙がっており、受講者が業務に対して主体的に取り組む姿勢が期待できます。このようにコミュニケーション研修の実施は企業を発展させるために重要であると言えるでしょう。

コミュニケーション研修の実施ポイント

コミュニケーション研修を効果的に行う際に、以下のポイントに留意して実施しましょう。

  • 目的や目標を明確にしておく
  • 階層別・適切な人数で実施する
  • 継続的に学ぶ仕組みを作る

目的や目標を明確にしておく

研修の前に、実施の目的や目標を設定し、全体で共有しましょう。その際、チームや部署などで実際に起こったコミュニケーション課題を例にするのもひとつの手です。例えば、コミュニケーションの行き違いによるトラブルが発生した過去事例があった場合、「トラブルを未然に防ぐため」という目的で研修を実施するとよいでしょう。

階層別・適切な人数で実施する

上記で解説したように、階層ごとにコミュニケーションにおける課題が異なるため、それぞれの階層ごとに課題や目的を設定しましょう。また、内容によっては人数が多すぎると研修の効果が上げにくい内容もあります。参加者全員が主体性を持って参加できるような人数・チーム編成を行うようにしましょう。

継続的に学ぶ仕組みを作る

コミュニケーションスキルの向上には継続的な学びと実践が必要です。研修を数回に分けて実施したり、ロールプレイングを行う機会を設けたりして、インプットとアウトプットを促しましょう。また、eラーニングなどを用いた振り返り学習も効果的です。継続的な学びを行うことで定着が図られます。

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まとめ

コミュニケーションは仕事をするうえで欠かせないスキルであり、これらが不足すると業務に支障が出たり、離職率を高めたりしてしまうかもしれません。

しかし、コミュニケーション研修を実施することで、社内で円滑なコミュニケーションが生まれ、業務の生産性が上がり、同僚や上司、顧客との信頼関係の構築ができるようになります。そのためには、役職や目的に合わせた研修を実施することが大切といえるでしょう。