新入社員研修」は、中途採用者にも必須です。中途採用者に研修を行うことで、社員がいち早く自社に定着し、現場で活躍できるようになります。

しかし、実際のどのような研修内容を行えばよいのかイメージしづらい方もいらっしゃるでしょう。そこで本記事では、中途採用者に研修行うべき理由効果を高めるポイントについて、詳しく解説します。

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中途採用者にも研修が必要な理由

中途採用の場合、入社時に以下のような不安を感じている場合があります。

  • 前職との仕事の進め方が異なるため、正しいやり方がわからない
  • 業界用語や専門知識がよくわからない
  • 転職先の慣習や規範などに馴染めない

こうした不安や戸惑いが重なると、せっかく獲得した人材が早期離職してしまうかもしれません。一般的に中途採用者には、現場での即戦力になることが期待されています。自社にいち早く定着・活躍してもらうために、中途採用者向けの適切な研修を行うことが大切です。

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中途採用者に研修を実施する主な目的

中途採用者に研修を実施する主な目的として、以下の3つが挙げられます。

  • 企業理念やビジョンを理解してもらうため
  • 現場で即戦力として活躍してもらうため
  • 社内での人間関係を構築してもらうため

企業理念やビジョンを理解してもらうため

自社の企業理念やビジョンについて、中途採用者に理解してもらうことが大切です。中途採用者には社会人経験やビジネススキルはありますが、勤める企業が変われば、仕事に対する考え方やフローも企業に合わせて変えていく必要があります。同じベクトルで仕事をするために、中途採用者には理念やビジョンを丁寧に説明しましょう。

現場で即戦力として活躍してもらうため

中途採用者には、現場で「即戦力」になることが期待されています。そのためには、具体的な業務内容を理解し、求められるスキルを身につける必要があります。同じ業界から転職した場合でも、求められるスキルは異なる場合もあるため、自社の事業に合わせて研修を行いましょう。

社内での人間関係を構築してもらうため

新卒採用者とは異なり、中途採用者は同時に入社する同期の社員が少ないため、相談相手を見つけにくい場合があります。職場に馴染めなければ、モチベーション低下や離職につながるリスクがあるため、社内で交流する場を設けることが大切です。中途採用者向けの研修では、上司・先輩や同僚と交流する機会があるため、人間関係の構築にも役立ちます。

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中途採用者に実施すべき研修内容

中途採用者に実施すべき研修内容として、以下の4つのようなものが挙げられます。中途採用者への研修の実施時の参考にしてみてください。

  • 実務研修
  • 理念研修
  • キャリア研修
  • フォローアップ研修

実務研修

中途採用者の場合、ビジネスマナーやPCについての知識はある程度持っているとみなされます。そのため、具体的な実務について覚えてもらうことが重要です。実務研修の方法は多様にありますが、例えば実践に近い形で業務を行いながら学ぶOJT研修などが役立つでしょう。

理念研修

中途採用者には、過去に勤めていた企業の理念や働き方が思考のクセとして残っているケースがあります。そのため、自社の創業にいたる過程開発した商品・サービスについて伝えることで自社への理解が深まり、中長期で働くイメージも描きやすくなります。企業理念を体現するためには何が必要か、中途採用者に考えてもらえる機会になるでしょう。

キャリア研修

中途採用者に「キャリア研修」を行うことで、明確なキャリアプランを描きやすくなり、業務へのモチベーションが高まります。自社で必要とされる知識やスキルはもちろん、中途採用者が「どのように成長したいか」も踏まえて、キャリア形成をサポートできる研修を行いましょう。

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フォローアップ研修

「フォローアップ研修」は、研修を行ったあとに一定期間を置き、改めて行う研修のことです。丁寧に研修を行っても、受講者は1回の研修ですべてを理解できるわけではありません。フォローアップ研修の中で振り返り課題の洗い出し定期的に行うことで、中途採用者の悩みに寄り添いながら習熟度を高めることができます。

中途採用者の研修期間

中途採用者の研修期間は企業によって異なりますが、入社から3カ月間を目安に行う企業が多いでしょう。

中途採用者が企業に馴染むためには、ある程度の期間を確保した集中的な研修と、定着を促すためのオンボーディングなどの並行実施が有効です。求められるスキルや知識は業務内容によっても異なるため、入社する部署や業務ごとに適切な期間を設定しましょう。

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オンボーディングとは 人材の定着と即戦力化を図る育成プログラム

中途採用者のための研修の代表的な手法

中途採用者のための研修の代表的な手法として、以下の3種類が挙げられます。

  • 集合研修
  • OJT研修
  • eラーニング研修

集合研修

集合研修座学研修)」は、大人数の中途採用者を対象にした、企業理念ビジョンルール自社で求められる知識に関する研修です。総合的・体系的に理解を深めてもらうために、多くは講義形式で研修を行います。一度で多くの人数に伝えられるため、研修内容や効果が平均化する点はメリットですが、後述するOJT研修と比べると実践スキルが身につきづらい場合があります。

OJT研修

OJT研修は、実務を交えながら必要な知識・スキルを身につけるためのものです。中途採用者には社会人経験があるため、自社および部門独自のルールやフローの説明を中心に行います。ただし、中途採用者が業務に慣れるまでのサポートは必要なので、オンボーディングも兼ねたOJT研修を、3カ月ほど行う企業が多いようです。

eラーニング研修

eラーニングオンライン研修)」は、スマートフォンやタブレット端末などを用いて受講するタイプの研修です。社内ルールや業務の進め方、必要な知識やスキルに関する動画を作成し、中途採用者に視聴してもらいます。eラーニングの実施により、中途採用者が自分のペースで学びやすくなり、研修費用も削減できます。

中途採用者の研修効果を高めるポイント

中途採用者の研修効果を高め、スムーズにオンボーディングを進めるために、以下の5つのポイントを意識しましょう。

  1. 研修の目的・目標を明確化する
  2. 進捗管理とフィードバックを行う
  3. フォローアップ研修や面談を行う
  4. 配属先の体制や環境を整えておく
  5. eラーニングを積極的に活用する

1.研修の目的・目標を明確化する

中途採用者向けの研修を行う目的・目標を明確にしましょう。自社の課題や事業の目的に対しどのような人材が必要か検討することで、教育方針が見えてきます。

また、研修は単に必要な知識・スキルを身につけるだけでなく、中長期的な観点で人材を育成するという側面もあります。中途採用者の将来も見据え、キャリアプランに合わせた育成・研修計画を立てましょう。

2.進捗管理とフィードバックを行う

研修の進捗状況や習熟度を管理し、必要に応じてフィードバックを行いましょう。適切なフィードバックを行えば、中途採用者の苦手分野の克服適切なサポートにも繋がり、モチベーション向上に役立ちます。またフィードバックの際は、注意点やネガティブな面ばかりではなく、よくできた点などポジティブな指摘をすることも大切です。

3.フォローアップ研修や面談を行う

どんなに丁寧な研修を行っても、数回の研修だけですべてを理解できるわけではありません。やりっぱなしにせず、実施後に定期的なフォローアップ研修を行い、必要なサポートを提供することが大切です。習熟度が低い課題に対して研修を行ったり、知識・スキルのアップデートなどを行ったりすると、より広い視野を持った人材育成ができるでしょう。

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4.配属先の体制や環境を整えておく

中途採用者が孤立することがないように、研修の受け入れ先・配属先の体制を整えましょう。研修内容はもちろん、質問・相談しやすい雰囲気を作ることができれば、中途採用者のモチベーションも高められます。また、組織に馴染みやすくなり、定着率も高まります

5.eラーニングを積極的に活用する

中途採用者への研修を充実させようとすると、企業の人的・経済的な負担がかかります。その際、「eラーニング」を導入することで、人的コストを抑えながら効果的な研修を実施できるようになります。受講者が自身のペース繰り返し学ぶことができるため、習熟度も高まります

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まとめ

中途採用者適切な研修を行うことで、中途採用者が自社に馴染み、配属先で活躍しやすくなります。また、前職との業務フローや規範の違いによる悩みを解消し、中途採用者が安心して働ける環境づくりにも役立つでしょう。

中途採用者向けの研修には、集合研修OJT研修eラーニング研修などがあります。研修目的を明確化して計画を立て、研修後はフォローアップ研修なども行うことで、研修効果より高まります